レクサス IS350 GSE21 ATF圧送交換

こんにちは!ヒルタです!

春一番が吹きましたね~

ってあれ?

まだ2月中旬やんw

てか、ヒートテック暑いw

いや、そんなことより、

三浦海岸の河津桜が散ってしまってないかすごく気になる!!

河津桜

来週まで咲いてますように!

 

 

さて、ネットで調べると、よく知恵袋とかで、

「ATFは交換したほうがいいですか?」

という質問を多く見かけます。

「ATF交換」とググるだけで、上位にその質問が出てくるぐらいです。

で、こんな感じのスレが立っています。

当ブログに行き着くまでに、多くの方が見てきたのではないでしょうか?

 

大体の回答のテンプレートは4つ

①メーカーが10万Km(または無交換)までしなくていいって書いてあるんだからしなくていい

②ATF交換なんて車屋が稼ぐためにやっているんだから必要ない

③交換にはリスクが多すぎる。今なにも問題ないんだから、あえてATF交換する必要がない

④汚れないオイルなんてないんだから定期的に交換したほうがいい

 

ハイ、ここで一番の問題は何でしょうか。

いままで、当ブログの記事を見てきてくださった方は、

迷わず④を選ぶかもしれません。

もちろん、ヒルタも④を推奨します。

ただ、それは個人的な経験・見解に元づく一つの答えです。

 

質問をわかりやすくするために、極端な例に例えてみます。

「私の車はいつ交換したほうがいいでしょうか」

どうですか?

いやいや、内容が変わっているから!!

という突っ込みをもらいそうですが、最初の質問と大して変わりません!

答えは、

「わからないよ!!」

です。

知恵袋等で質問されている方はきっと悩んだ挙句、

アドバイスが欲しくて投稿した「素人」さんだと予想できます。

では、答えている方々は?

あくまでも予想ですが、

「素人」さんでしょう。

もしかしたら、「車にとっても詳しい素人さん」

かもしれないし、

「現役整備士」

かもしれません。

誰にせよ、一人の人間が、一生のうちに乗れる車の台数なんて、

たかが知れています。

車に対する経験だってきっと多くても20台はいかないでしょう。

しかも、車種によっても変わるだけでなく、

新車で買ったのか、中古車で買ったのか、

一人で運転しているのか、運転が雑な若い子が運転しているのか、

世の中に走っている車の中で、全く同じ境遇の車なんて、

絶対に存在しないのです。

その中で、回答した方々は、ご自分の経験や知識を元に回答していく・・・

その回答って、

正しいんですか?

根拠ってありますか?

もちろん、

回答すること自体を否定するつもりは全くないことはここに宣言します!

みなさん、善意でアドバイスをしているのだと思います!

しかし、例え、ディーラー整備士だって今や、ATFがどれぐらい汚れているか、

どれぐらいで交換したほういいかなんて

分からない状況なんです。

 

で、ここで、メーカーが10万Km交換不要って書いてるじゃないかと。

無交換と書いてあるじゃないかと。

でも、メーカーの保証って5年又は10万Kmの

どちらか早いほうなんですよね。

つまり、例えば、6年目の6万キロでATFやCVTに不調や違和感が起きても、

基本的に

メーカーは責任持ってくれません。

だから、すべてはオーナー自身が判断するしかないんです。

数学の世界のように、整備のことでネットの世界に答えはありません。

一つの情報収集ツールとしての認識を心掛けたいですね。

 

ここまでが前置き ドーーンw

もはや、前置きではなく、一つの記事として載せろよって感じですが、

本題のレクサスのATF交換いきます!

神奈川は足柄からお越しの

レクサス IS350 GSE21

平成20年式 11万Km

のお車です。

 

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ついに来ましたね~

「レクサスのATF圧送交換」

レクサスのATは

レベルゲージ無し

オイルライン無し

つまり

完全密閉式AT

なんです。

なので通常、ATFの全容量の交換なんて

できません!

ディーラーじゃ、

10万Kmまで必要ありません。か、

10万Km超えたらもうできません。か、

無交換なので必要ないです。

で、押し切られます。

オートバックスとかイエローハットでも、

ATF交換をできてもせいぜい補充孔から入れて、

下から抜いて、

の大してきれいにならない方法の繰り返しによる交換。

つまり、

それほど難しい作業なのです。

もちろんトルコン太郎を持っているだけじゃできません。

完全密閉式ATを完全ATF圧送交換する

これに今回は挑戦します。

挑戦じゃないか。失敗したら困るもんね。

んじゃ、

アタックします!!

 

実はお客様からは年末からお話をいただいていたのですが、

トルコン太郎に接続するためのIS350専用のアタッチメントを作るのに

時間がかかりまして・・・・・

その後のご予約の兼ね合いがうまくいかず・・・

2月になっちゃった

次第です。

こんなにも長く待っていただけて本当にうれしいです。

ほんとに長い間お待たせしました。

 

今回は、現段階では特に変速ショックや違和感はなし。

ただ、10万Kmを超えたので、

予防整備として作業したいとのことで、

当店までお越しくださいました。

 

今回の作業内容は

オイルパン脱着+ストレーナー交換+ATF圧送交換

のフルコースです。

 

 

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まずはオイルを下から抜きます↑

赤味も残っていて思ったよりは汚れていません。

思ったよりは、ですが。

 

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続いてオイルパンを脱着します↑

大きなストレーナーですね。

大きな車や排気量の大きな車など、

ATへの負担が大きそうな車にはだいたい大きなストレーナーがついてます。

 

 

 

 

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こちらがオイルパンの中↑

 

 

 

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磁石にはびっちり鉄粉が↑

って言っても、正常の範囲内です。

 

 

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オイルストレーナーも交換します↑

 

 

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ストレーナーの吸入口のアップです↑

目立ったスラッジ等は見当たりません。

 

 

 

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新品はこんな感じ↑

当たり前ですが、きれいですw

 

 

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慎重につけやす↑

 

 

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続いて、オイルパンの中を清掃します↑

車に取り付ける直前にもう一度拭きますが、

まずは磁石の鉄粉落として、

パン内の清掃です。

 

 

 

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使用するのはもちろん毎回ペーパータオルです↑

手作業で整備している以上、絶対にゴミやホコリが入らないとは言い切れません。

ですので、少しでもリスクを下げるため、布を使わずに紙を使います。

え?なんでか?

万が一、糸くずが入ると致命的なダメージをATに与える可能性があるからです・・・・

 

 

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オイルパンに残っているガスケットを丁寧に除去していきます↑

今回は固形のガスケットを使用していますが、

少しでも残骸が残っているとオイル漏れを起こす可能性あるので、

丁寧に清掃します。

 

 

 

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オイルストーンを使って表面を滑らかにしていきます↑

 

 

 

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オートマ側の接地面もきれいにします↑

オイルストーンを高速で動かしているので、

白い手袋がぼけてますねw

 

 

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ホイ!出来上がり↑

 

 

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こちらも何度も確認して除去完了↑

 

 

 

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磁石もきれいにしました↑

 

 

 

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取り除いたガスケットの残骸↑

いつか再利用可能なガスケットを開発してくんないかな?

 

 

 

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新しいガスケットをのっけて↑

 

 

 

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ネジに巻き込まないように慎重にとりつけます↑

 

 

 

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なんとなくオートマから後ろに向かって撮ってみました↑

カバーで覆われていてすげー平らです。

凹凸少な!!

 

全てを戻して、

IS350専用アタッチメント登場!!

この瞬間のために苦労したんだze!!

 

 

 

 

え?

画像?

勘弁して下さい。

だって、ね?

 

 

 

 

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あい、トルコン太郎ちゃんと、合体しました↑

 

今回はプレ洗浄として、

 

 

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アイシン精機製ATF AFW+↑

でAT内を洗浄します。

初めから本命オイルじゃもったいないですからね(汗

結果的にこのやり方のほうが経済的にもお得です!!

 

では、圧送交換の様子をどうぞ↓

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徐々にきれいになっていきます。

 

 

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クリーニングモード中↑

 

 

 

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いい感じできれいになっています↑

左が未使用の新油、右が車の中を回っているATFです。

オイルパンを脱着した場合は、ほとんどが一回のプレ洗浄できれいになることが多いです。

 

 

 

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始めに抜いたオイルを挟んで一枚↑

思ったよりきれいなATF

と言っても、新油と比べると汚れ具合は一目瞭然。

 

 


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しばらくクリーニング↑

 

ちなみに、IS350は

純正ATFとして

オートフルードWS

を使っています。

実は

ノアのハイブリッド車

と同じですね。

車が高級車だからATFも高級オイル

というわけではないのです。

3500CCも排気量があるんだから、

そのパワーから受けとめるATFには、

とても負担が掛かっていると予想できるんですけどね。

 

ちなみに何速ATか知っていますか?

今回のレクサスは6速あります。

ちなみにちなみにLSとかは8速w

そのうち2桁いきそうですねw

 

では、今回の本命オイル、

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ニューテック ATF ZZ-51↑

の登場です。

通常のATFに比べて

低フリクション

高い極圧性

高伝達効率

高温粘度の安定化

優れた耐酸化性

を持った逸品。

 

ご予算が許せば、

ニューテック NC-65がベターですが、1リットルあたり3200円とこれがかなり高価。

経済性とレクサスのパワーとのバランスという点で考えるとこれが

ベストなのかもしれません。

 

 

 

 

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トルコン太郎にセットして↑

 

圧送第2弾開始です。

 

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変化が少ないので3枚で終了w↑

 

 

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こちらがZZ-51改の新油↑

 

 

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現在の車の中のATFの様子↑

2回目のクリーニング中です。

 

 

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最後に補充を行います。

最終的に99%ぐらい入れ替わっていると思われます。

 

これでひとまず、作業はほぼ終了です。

ここまではレクサス以外の車種と比べても、

実際の作業に大きな差異はありません。

 

で、最後にATFの油量調整。

これがほかの車と違って一苦労。

レベルゲージがないため、

オーバーフロー式油量調整法

となります。

必殺技みたいな名前ですが、実際ちょっと手間がかかります。

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実際の油量調整の様子↑

え?車内じゃん?

そうなんです。

一人じゃできないんです。

一人は乗車したままリフトで上昇し、

もう一人が同時進行で下でオイルを抜きます。

 

国内最新最強診断器 G-スキャンⅡを使って、

AT油温を測りながら、指定油温内に調整するんですが、

マジで、調整時間がシビアw

エンジン始動数分?で指定温度を超えます。

一度超えると、また指定温度下限の温度に下がるまで

待たなきゃなりません。

それがまた時間がかかる・・・・

ある意味一発勝負w

この辺はまた改めて詳しくご紹介します。

 

 

施工後の試乗にいざ出発。

出発した5秒後には、

「違う!」

の言葉を頂戴しました!

加速感、トルク共に良くなったと!

ご満足いただけました。

 

今回のお客様、

実は以前、港北にあるレクサスディーラーに行ったそうです。

で、ひどい扱い受けた上に、

なんだかんだ言われて、最終的に整備してもらえなかったと・・・・

どうやら噂通り、レクサスでは新車以外の客はお客様じゃないようで・・・・

で、さらに酷い話で、レクサスではなく他のトヨタディーラーに行ったら、

レクサス車はレクサスに行ってくれと。

おいおい、

おいおいおい、

おおいおいおい。

そりゃあんまりじゃないですか?

県によっても違うみたいですが、

神奈川県のトヨタディーラーじゃレクサス車は整備しない提携でもあるんかいな。

残った手段はチェーン店か個人の整備工場。

で、信頼できる整備工場を探していたところ当店のブログにたどり着いたと。

「また、困ったことがあったら相談にきます」

と言っていただけたのはとっても嬉しかったです。

 

 

今回も4500字オーバーの長編になっちった・・・・

ここまでご覧いただいたことに感謝しつつ、

今日はここでおわります。

ありがとうございました。