トヨタ グランドハイエース(グランビア)KCH10W ATF圧送式交換 千葉県よりご来店 【後編】

こんにちは!蛭田です!

前回の反省から、今回は前置きなしでイキマス!!(笑

 

今回はこの記事の後編です!

千葉県からお越しの、

トヨタ グランドハイエース KCH10W

走行距離、何と何と・・・・・・

24万Km!!!

5万Kmの時にATFを2リットルほど交換してから、

ATFを交換した記憶が全くないとのこと。

なかなかドキドキさせる案件ですね(笑

まずは、現状のATの状態確認の為、実際に試乗します。

全体的には24万Km乗っているとは思えないほど、

エンジンもATも調子がいい!

メールで伺っていた変速ショックも全く感じず・・・・

もちろん多少の変速時のつながりは感じますが、

むしろ、本当にこれが20万KmもATF無交換の車!?

ってぐらい、驚くほどの状態です。

恐るべし「高品質のトヨタ」って思うのと同時に、

大切にされてきたんだなぁ、っと深く感じました!

10万Kmぐらいですと、お客様もATの性能劣化に気付かないことも多いのですが、

20万Kmも乗るオーナーさんにもなると、ちょっとした変化でも気付かれるお客様が多いと感じます。

 

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今回は、オイルパン脱着 + ATオイルストレーナー交換 + ATF圧送式交換 + デフオイル交換

のコースです。

では早速、コンタミチェックの為、オイルパンよりATオイルを抜きます。↓

 

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ん!異常なし!

気持ちいいぐらいATFが抜ける抜ける(笑

それもそのはず、グランドハイエースのATFの全容量は過去最多の8.2リットル!!

最終的に全部で5リットルほど抜けました。

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アンダーカバーから取り外していきます↑


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続いてATのオイルパンを外して・・・・・↑

ストレーナが露出しました。

 

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少しでも内部のATFを排出したいので、先にストレーナーを外しておきます↑

続いてオイルパンの洗浄に入ります。

 

外した直後のオイルパン↓

 

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って、え?

 

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ええっ!?

 

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マジか!?!?

マジに声に出して叫ぶほどのマグネットへの金属片の付着・・・・・

ある程度の鉄粉は想像していましたが、

なんだこの固形物は!?

 

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マグネット3つとも大量の金属片鉄粉

 

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明らかに何かの部品・・・・↑
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これでもか!!ってぐらいの鉄粉↑

ただ、ここまで来たら引き返すことはできません。

絶賛片道切符です!!!

この際見なかったことに!

・・・・・はできませんが(笑

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今回は液状ガスケットのタイプですので、オイルパンの液状ガスケットを丁寧に取り除いていきます↑

今回は二人がかり!!

スピードアップ!!

この作業、時間に余裕があるときはベラベラと剥がれる感じが楽しいのですが、

余裕がないときはかなりイライラします(笑

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ほい♪綺麗になりました↑

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アップで撮影。ね?綺麗でしょ?

(穴の部分は多少残ってても大丈夫です)

もちろんマグネットも完璧に清掃。

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ビフォー↑

アフター↓
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大漁♪大漁♪

なんて思ってる場合じゃありません。

時間がないのです。

続いてストレーナー(AT内のオイルフィルター)も交換。

古いストレーナーを取り外します↓

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よく見ると・・・・・044

フィルター部分である全ての金属メッシュに鉄粉たっぷりです↑↓

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こちらが新品↓

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これだけ汚れていると、交換のしがいもあります。054

 

AT本体側のオイルパンとの接続面もきれいにして↑

 

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新しいストレーナーを装着↑

オイルパン脱着も佳境です。

新品の液状ガスケットのつけて、いざAT本体へ・・・

ある意味ここも緊張する瞬間です。

たっぷり時間があればAT本体から流れ出てくるATFの滴が止まるまで待つのですが、

時間がない場合は、まだちょっと垂れている状態でくっつけます。

なぜ緊張するか?

垂れてきたATFが新しくつけた液状ガスケットの上に付着すると、

やり直しになります。

なので、オイルパンの中にゴミや汚れが入らないようにしつつ、

ガスケットにオイルがつかないようにしつつ、、、、

イキます!!

そりゃ!!

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あれだけもったいぶっといてなんですが、

だいたい一発で決まります(笑↑067

 

念のためボルトについたガスケットも一本一本掃除。

新品に替えれば問題ないんですが、

使えるものは使いたいですからね。

均等にネジを締めつけていき、これでオイルパン脱着も終了。

 

あとはガスケットを乾くのを待ってからトルコン太郎を使って

ATFをオイルを交換していきます。

 

乾くまでに、まずはATクーラーの洗浄♪

ラジエターの下の部分にあります。

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まずはエアーで拭いて中に貯まっているATFをゆっくり押し出します↑

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そのあとはパーツクリーナーで洗浄!!↑

送り込んでも「出」が悪いのでパーツクリーナーを噴射しつつ、

エアーも送り込みます!!

きっちり取れればいいのですが、ここまでやっても中にはある程度の鉄粉が残っていると思います。

完璧にやるのであればラジエーターごと交換ですね。

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続いて、デフオイルの交換~

飛び込みの修理が入ってしまい、写真を撮り忘れてしまいました~

あとは液状ガスケットが乾くのを待つだけ~♪

 

待つだけ~

まつだけ~

マツダケ~

 

・・・・・ヤバイ、乾かない・・・・・

 

 

雨のせいか湿気が多く、いつもより乾きが明らかに遅い・・・・

やばいぞ、お客様の帰宅予定時間に間に合わないぞ・・・・

慌てて今回使った液状ガスケットのワコーズの担当営業に電話!

蛭:「どれぐらい待てば安心してオイル入れられる?」

営:「完全硬化は12時間です」

蛭:「ちょっ(笑」

営:「しかも湿気が多いので一晩寝かせていただいたほうがいいかと思います。」

蛭:「説明書には3時間て書いてるけど・・・・・?」

営:「完全硬化は12時間です」

と言ったやり取りが何回か交わされ、

結果、説明書の3時間を信じることにしました。

 

大丈夫。天は我々に味方している!

はず。

 

 

ここでやっと登場!トルコン太郎!!

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まずは、抜けた分のATFを補充します!↑

お客様からは、

「トヨタ純正油かそれとほぼ同じ性能のものでお願いします」

とご希望されていました。

大丈夫です!!

当店で使っているスタンダードのATFは、

「AT製造メーカー」の「アイシン精機」が作っている「AFW+」です!!

間違いない品の1つです↓

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いざ、ドッキング!!↓

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まずはプレ洗浄で7L一気に圧送交換!

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大分赤味が戻ってきました↑

プレ洗浄というのは、

最後には本命のトップグレードのATFを入れるのですが、

まずは一番安価なATFでAT内の汚れを洗浄するのです。

本命のATFは後のお楽しみ・・・

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続いてクリーニングモード↑

手前がクリーニングモード中のオイル。つまり、現在AT内に入っているオイルそのものです。

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左が新油ATF、ペットボトルの中身が一番最初にオイルパンから抜いたATF、左が現在AT内に入っているATF

今回は、完璧に新油への交換がご希望なので、まだまだイキマス!!

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赤味に続いて、透明度も戻ってきました↑
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たまには角度を変えてってことで、新油側から↑
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2回目終了~↑

またまたクリーニングモードへ↓

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新油に近づいてきました。

ここで本命のATFに切り替えます。

本命のオイルは、

ジャカジャカジャカジャカ・・・・・・・・

じゃーーーーん!!

これ!!↓

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「ニューテック ZZ-51改」!!

当ブログでは初登場ですが、当店で一番の高級ATFです。

ZZ-51改を入れたATの変速は・・・・言葉で表現するのは難しいのですが・・・・

「ヌルッ」

って感じです(笑

色味的にはAFW+より少し薄い赤です。

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トルコン太郎のATFのペール缶をZZ-51改に切り替えて、

いざ挿入!!

112 113 114綺麗な透明な赤になりました♪

116これが最終的にグランドハイエースのAT内に流れているATF。

95%以上新油に切り替わっていると思います。

ここから最後に油量調整で2リットルほど追加するので、

99%は入れ替わっていると思います。

100%じゃないのかよ!!って突っ込みは入れないでください。

ATの構造上100%は無理です。

 

本命オイルを入れたところで、お客様が代車で戻ってきました。

ギリギリ間に合って?ちょっと一安心。

その後、オイルパンからの漏れの確認後、アンダーカバーを装着し、

お客様の運転で一緒に試乗へ。

発進した直後、お客様から

「やっぱり違いますね!」

と第一声。

この瞬間って整備士冥利につきます。

お客様が喜んでいる姿がなによりうれしいです。

変速ショックや上り坂での加速、キックダウンを確認しながら、

試乗コースを一周。

ATFが馴染んで来れば、またフィーリングも変わってくると思いますが、

ご納得のご様子でした。

 

綺麗になったことが視認できるってことが、

一番お客様に納得してもらえると感じます。

なにより気持ちよく乗れます。

 

予想外なことが多かった作業内容で、

記事も予想外に長文となってしまいました。

最後までお読みくださいありがとうございました。

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